小児の心因性疾患に対するフルボキサミンの臨床効果

摘要

フルボキサミンは欧米では10年以上の臨床経験のある選択的セロトニン再取り込み阻害薬の一つであるが，本邦ではようやく1999年5月より臨床応用されるようになった。しかし，本邦での小児例の報告はない。我々は今回,不登校，神経性食欲不振症などの心因性疾患を有する小児7例についてフルボキサミン（デブロメール~R25mg）2錠/日を朝夕1錠ずつ2カ月間投与し，臨床的効果と副作用を検討した。 7例中3例が右効，2例がやや有効，2例が無効であった。検尿，血液学的検査での副作用は認めなかったが，1例で眠気があった。小児科領域でも副作用が少なく右効な薬剤であるので，例数を増やし，また投与量を今後検討していく必要があると思われた。