統合失調症の外来患者における服薬状況および持効性注射剤の受容性に関する患者意識調査

摘要

統合失調症の薬物治療においては，再発防止のために服薬ァドヒアランスの重要性が報告されている。1回の投与で2?4週間作用が持続する持効性注射剤（LAI)は服薬アドヒアランスの改善に有効であるとされている。しかしながら，これまで本邦ではLAIの使用は限定的であり，その理由として医師は，患者がLAIを選択しないと考えていたことが挙げられる。しかしながら，患者のLAI受容率は医師が考えているより高いともされている。今回，本邦で初めての第2世代抗精神病薬であるリスペリドンのLAI (RLAI)が使用可能となったことで，外来患者における服薬状況とLAIの受容性について調査を行った。その結果，36%の患者が服薬を忘れることがあり，患者自身および家族の服薬管理が負担となっていることが示された。また，RLAI治療の受容率は32%であり，その理由として服薬管理の不要力s挙げられている。今後は，RLAI治療を受容し投与を開始した患者と，受容しなかった患者における背景因子の違いなどを検討する予定である。