腹腔鏡下肝切除術-肝癌に対する根治的低侵襲治療

摘要

平成22年度の診療報酬改定で「腹腔鏡下肝切 除」が保険収載され，部分切除に50,600点，外 側区域切除に62,100点の手術点数が請求できる ことになつた.開腹による部分切除(27,950点) と外側区域切除(39,450点）に比較し，それぞ れ23，000点ほど上乗せされている).腹腔 鏡下肝切除に特有な手術器具代を含む手技料では あるが，同術式による入院期間の短縮等を考慮し普及へのはずみとなる点数設定となっている，先 進医療からの保険収載であつたので当初は施設基 準が設けられることになつたが，国内での症例数 の蓄積により施設基準は近いうちに取れることが 予想される.小範囲の部分切除から始まった腹腔 鏡下肝切除であるが，外側区域切除はすでに定型 化され，現在では系統的亜区域切除から完全腹腔 鏡下の肝葉切除まで可能となった.