Side population以外に存在する造血幹細胞

摘要

Side population（SP）細胞は，マウス骨髄細胞中で造血幹細胞を高頻度に含む細胞分画として発見された。 DNAに結合する生体染色色素であるHoechst33342でマウス骨髄細胞を染色し，フローサイトメトリーで解析を行うとHoechst蛍光の低輝度分画に突起状の細胞分画が現れる。 この分画の細胞がSP細胞であり，致死量放射線を照射したマウスへ移植することによって高い効率で造血系を再構築することができる。 SPフェノタイプは，未熟な細胞がHoechstを排出することによって現れるが，このHoechst排出の能力はマウスのみならず，ヒト，ブタ，サルなどにも共通して保存され,異種でも造血幹細胞の濃縮にSPフェノタイプが利用できることが示されている。