論文の書き方

摘要

医学研究を行った場合，研究成果を学会発表に留めず，論文にまとめて雑誌に投稿し，査読者の批判を受けた上で論文が出版されることは，研究成果を研究者のみならず社会に還元するために重要なことである．言うまでもないが，よい論文を書くためにはよい研究を行う必要がある．学問における重要性，独創性が問われる．研究を開始する際，関連する論文を充分検索し，何が分かっていて何が分かっていないのか（研究の背景），どhな疑問を解決するために研究を行うのか，などを明確にする必要がある．研究の目的を明確にし，目的を達成するために適切な方法で研究が行われているか，結果から導き出した結論に問題がないか（結論を裏付ける結果が得られているのか），目的に対応した結論になっているか，考察における論理展開に注意して，背景，目的と方法，結果，考察を記述する．科学論文では，冗長な表現，長文を避け，分かりやすく明瞭な文章にする必要がある．一読して内容を理解できる文章にしなければならない．論文の内容を短時間に把握する場合，抄録と図表が参照されるため，論文執筆においても分かりやすい抄録と図表の作成は重要となる．文献リストを作成するために，文献管理ソフトの活用は欠かせない．雑誌の投稿規定を参照し，抄録や本文の規定文字数を遵守し，表紙などに記載すべき情報が漏れていないか確認する．投稿を予定している雑誌に掲載された論文を読hで，体裁を参考にするとよいであろう．多くの論文には共著者がおり，ともかく初稿を作成して共著者に直してもらいながら論文の完成度を高めていきましょう．