転移性肺腫瘍に対する右中葉切除後，気管支内再発に対して施行した残存中下葉切除

摘要

症例：67歳，男性．2010年に大腸癌に対し左半結腸切除術を施行され，その後化学療法施行中，2013年右中葉に60mm大の腫瘍出現．気管支鏡生検で転移性肺腫瘍と診断され，同年9月，右中葉を施行した．2014年4月，咳?微熱あり，近医呼吸器内科にて胸部CTで右下葉完全無気肺，下葉気管支内腫瘍の生検で大腸癌の転移と診断され当科紹介となった．手術：第5肋間，後側方開胸．胸腔内は全面癒着．葉間より剥離，PAを確認．そのまま腹側に剥離し腹側上下葉間（元中葉の部位）を剥離し葉間形成．PA周囲は非常に癒着強く，肺門背側を剥離，2ndCarinaを確認し背側上下葉間形成．PAは気管支との間は癒着強固．まずA6を2-0絹糸2重結紮剥離．底区PAを剥離，自動縫合器で切離．気管分岐部周囲を郭清，腫大したLNを郭清（＃7）．PVも剥離，テーピング，自動縫合器で処理．PA?気管支間を中枢側に剥離．上葉気管支を確認．中間気管支幹を切離，断端は陰性．気管支は4-0PDS 7本でsweetに閉鎖，手術終了した．腫瘍は中間気管支幹内のポリープ状病変と連続する肺内2×1.8×1.4cm大の境界不明瞭な結節性病変で大腸癌肺転移の所見，リンパ節転移はなし．術後経過良好で現在，前医にて経過観察中である．