29.限局型小細胞肺癌寛解後11年目に二次的小細胞肺癌の切除を行った1例

摘要

症例は70歳男性.2006年に右肺上葉小細胞癌cT4N3M0に対し化学放射線療法を施行し完全寛解を得た.以後観察のみで11年間再発なく経過したが，2017年CTにて右肺下葉に結節影を指摘された.二次癌を疑い，右肺下葉切除術+ND-1を施行した.病理検査にて小細胞癌pT1N0M0と診断され，DFIが極めて長期であったことから二次癌と判断した.小細胞癌は集学的治療により予後が改善されつつあるが，3生率は約30%と未だ低い.本例のようにII期以上の限局型小細胞癌の長期寛解例は少なく，さらに二次肺癌に対し外科的治療を行った症例は稀である.小細胞癌においても長期経過観察が必要であるかもしれない.