Valsartan 80mg とHydrochlorothiazide12．5mgの併用療法における有効性と安全性の検討Olmesartan 20mgで降圧が不十分な患者から変更後の血圧推移-

摘要

現在，本邦の高血圧人口は約4，000万人といわれており，今後も増加することが懸念される。高血圧患者においては，脳卒中，心筋梗塞，心疾患，慢性腎臓病などの罹息率および死亡率は高い。本年改訂された「高血圧治療ガイドライン2009（JSH2009）」では，心血管病発症リスクの層別化に応じた厳格な降庄治療指針が示された。アンジオテンシンⅡtype 1（AT 1）受容体拮抗薬（ARB）は，アンジオテンシンⅡを介する強力な血管収縮，体液貯留，交感神経活性亢進作用を抑制することによる強い降圧作用を有する。また，心保護作用，腎保護作用，糖尿病発症抑制効果を持ち合わせていることから，JSH2009において最初に投与すべき降圧薬のひとつにあげられているが，降圧が不十分な場合，副作用を打ち消し合う利尿薬との併用が薬理作用のうえからも支持される。