悪性化した巨大尖圭コンジローマの1例

摘要

60歳，男性.5， 6年前より肛門付近に瘙痒を伴う皮疹があった.当院外科で生検を行い， 尖圭コンジローマと診断され，当科に依頼された.初診時，仙骨部から会陰部にかけて手掌大 の力リフラワー状の赤褐色腫瘤を認めた.全摘出標本で一部真皮内への浸潤像と核異型があ り，悪性化した巨大尖圭コンジローマと診断した.巨大尖圭コンジローマはBucshke-L6wenstein腫瘍とも呼ばれ，悪性化の報告は多いが転移の報告はほとhどない.慢性刺激や 免疫抑制状態などが巨大化の誘因となるとされている.自験例のように全摘出を行って初めて 悪性像を確認できる症例もあるため，治療としては外科的切除を行い，病理組織学的に検討す ることが重要と考えた.