漢方牛歩録

摘要

変形性脊椎症の下肢のしびれ脱力に黄耆桂枝五物湯加味【症例】72歳、男性。【初診】X年6月8日。【主訴】右下肢のしびれ脱力。最初は左項から左肩そして上肢までしびれ、両側手指のしびれ感も訴えていた。頸椎の変形が強く、同部の圧迫によるものとして局所の循環改善を目的に疎経活血湯エキス(7.5g/日分3)を処方したところ、症状は軽快していた。9月28日。今度は腰痛と右下肢のしびれ、さらにおよそ40?50mの歩行で間欠跛行を訴えた。従来はこの症状にも私は疎経活血湯を頻用するが、本方を続服中の発症のため転方することにした。冷えを伴う疼痛と麻痺より四逆加人参湯合芍薬甘草附子湯(芍薬?甘草各6、人参3、乾姜2、生附子0.5.附子は徐々に3gまで増量した。