Daclatasvir?Asunaprevir併用療法中に著明な血小板減少を来したC型慢性肝炎の一例

摘要

要旨：症例は70歳代女性.C型慢性肝炎（HCV genotype lb.低ゥィルス量）につき当科通院 中であった.過去4回のィンターフヱロン（IFN)治療歴がある力いずれも著効は得られず. Daclatasvir (DCV) - Asunaprevir (ASV)併用療法を開始した.同薬内服18日目に急性胆囊 炎の疑いで当科入院となった.入院時に血小板数7.3万とやや低値であつたが，胆囊炎症状 が改善した後も血小板数が1.1万まで低下し，血小板輸血を要した.血小板減少の原因とし てDCV ? ASVの影響が否定できず，同薬の内服は22日間で中止とした.中止後1週間ほどで 血小板数は徐々に増加し，中止後24日で退院，中止後24週間での持続ウィルス陰性化も確認 できた? HCV陽性患者における血小板減少は，IFNベースの治療時のみならず，IFNフリーの Direct Acting Antiviralsによる抗ウィルス治療時にも注意を要する副作用の一つと考えられる ため，文献的考察を加え報告する.