肝臓専門医試験問題とその解説

摘要

原発性胆汁性胆管炎(PBC)の症状に関する問題で ある.近年ではおよそ70%のPBC患者は無症候性で自 覚症状を欠くが初発症状としてどの症状が最もよく みられるかを問うている.a. 黄疽は進行したPBC症例で出現する.第16回PBC 全国調査によれば，2001年以降に診断された4563例の PBC症例のうち，診断時総ビリルビン2mg/dL以上で あった症例は254例(5,6%)であった.b. 太い胆管が障害され，逆行性の細菌性胆管炎をし ばしば併発する原発性硬化性胆管炎とは異なり，肝内 小型胆管が障害されるPBCでは細菌性胆管炎などによ る発熱はきわめて稀である.