Microlnflammatlonの役割

摘要

糖尿病は慢性高血糖を主徵とする疾患であり，その発症にはインスリン抵抗性とインスリン分泌不全がかかわっている。またインスリン抵抗性の基盤病態として，肥満ゃメタボリック症候群が重要であることが明らかにされている。高血糖や随伴する代謝異常の持続により糖尿病に特有の細小血管障害ゃ大血管障害が引き起こされるが，糖尿病性腎症は細小血管障害の一つであり，血糖のみならず血圧や脂質もその進展にかかわることが知られている（図1)。近年，動脈硬化の成因に炎症が関与すること力5提唱されてきた.また，最近では内臓肥満に伴うインスリン抵抗性にも，内臓脂肪組織における炎症が関与することが明らかにされた。