膵炎後仮性膵囊胞に対し内視鏡下経胃膵囊胞ドレナージ術が有効であった白血病例

摘要

急性リンパ性白血病治療中の6歳男児.ァスパラギナーゼを含む寛解導入療法終了直後に急性 膵炎を発症し，その後仮性膵囊胞の形成を認めた.保存的治療を行ったが膵囊胞の増大が続いた ためドレナージ術が必要と判断された.白血病の治療中であったことから，感染や化学療法の長 期中断などのリスクを考慮し，低侵襲な治療方法として，内視鏡下経胃膵囊胞ドレナ一ジ術を選 択した.膵炎発症後10週間目に内視鏡下経胃脖囊胞ドレナージ術を施行し，両側Pig-tail型内瘻 チューブの留置と経鼻脖囊胞ドレナージチューブによる持続吸弓Iを行った.ドレナ一ジ術後速や かに膵囊胞の縮小と全身状態の改善が得られ，ドレナージ中の化学療法の再開も可能であつた. 自然消退しない仮性膵囊胞に対して，内視鏡下膵囊胞ドレナージ術は，小児においても低侵襲かつ効果的な治療選択肢である.