体系的な食品検査と微生物規格基準のあり方

摘要

本誌8月号より三号連続して，「公衆衛生目標に 立脚した食品衛生研究-リスク評価と疫学からの アプローチ」との特集を企画させていただいてい る。8月号では企画趣旨ならびに国際的背景，全体 ビジョンを紹介するとともに，微生物学的リスク評 価の2つの具体的事例について解説していただい た。9月号では，食品由来疾患による被害の実態を 明らかにするための先進的な疫学研究の取り組み について紹介していただいた。最終回の本号では， リスク管理措置の一つであり，食品の微生物検査 やその結果の判定にも適用される微生物規格基準 について，その設計のあり方は，現在，国際的に どのように議論されているか，また国際的潮流を 一部取り入れた，わが国の生食用牛肉の規格基準 はどのように設けられたかについて，解説する。