遺伝的感受性素因の重要性-母の喫煙が子どもの胎内発育に及ぼす影響－

摘要

2002年に立ち上げた前向きコーホート研究（「環境と子供の健康一北海道スタディ」研究代表者：岸玲子）では約500名の妊婦とその児からなる調査集団を維持している。 妊娠期における母親の喫煙とたばこ煙中化学物質に対する遺伝的感受性素因との交互作用が胎児発育に及ぼす影響を解明するために,PAHsの代謝,解毒に関与しているAhR遺伝子（Arg554Lys）,CyP1A1遺伝子（MspI）,GSTM1遺伝子およびたばこ特異的ニトロサミン類の代謝に関与しそいるNQOl遺伝子（Pro187Ser）,さらにDNA損傷の修復に関与しているXRCC1遺伝子（Arg399Gln）の多型について解析を行った。