左冠状動脈主幹部病変を合併した 異型大動脈縮窄症の1例

摘要

成人大動脈縮窄症は，血管雑音と上?下肢の血圧差により発見されることが多い.また難治性高血圧を呈することもあり，未治療の 場合の予後は不良であるとされる.今回われわれ は，大動脈縮窄症に冠状動脈主幹部病変を合併し た症例に対して外科治療を行い，良好な経過を得 たのでこれを報告する.症例60歳，男.主訴：難治性高血圧症.既往歴：幼少時にリウマチと診断されたが，詳 細は不明であった.25歲時に高血圧を指摘され た.現病歴：2009年ごろより近医で高血圧症に対 する内服治療を受けていたが，降圧効果が不十分 で難治性であったため，2010年7月，精査目的 に当科へ紹介となった.