K式緘灸スコア(KSAS)の信頼性検定と相関分析うつ病など精神疾患に対する铖灸治療の試み

摘要

緘灸は気分障害に対しても一定の治療効果を有すると考えられているが，その抗う つ効果について客観的指標を用いて検証することは容易ではない。本研究では鉞灸臨床において抑うつ症状との関連が深いとされる身体所見をスコア化し（K式緘灸スコア），その 信頼性検定を行った。4名の緘灸師が12名の健常被験者を対象として，K式緘灸スコアの 評価者間信頼性検定を行った。Cronbachのa係数は0.938と高値を示しており，評価者間 の信頼性が十分に高いことが示された。また25名の気分障害患者を対象としてK式緘灸 スコアの級内相関係数を計算したところ0.856を示し，内的整合性も高いことが示された。 K式緘灸スコアの総得点はBeck抑うつ評価尺度(BDI)と有意な正の相関（p =0.664， n=25， p=0.0003)を示した。K式緘灸スコアと年齢との相関は認められなかったが，女性は男性 よりも高い得点を示した。