精神科患者における動物介在療法に対する意識調査

摘要

本邦の実態に即した動物介在療法を導入するための資料収集を目的として,精神科治療中の患者481名を対象にアンケート調査を行った。その結果,8割の患者が動物好きで,動物との触れ合いによる気分転換,治療効果に肯定的見解を示したが,2割は動物嫌いで有意差をもって否定的見解を示し,治療適応の参考になると思われた。病棟に動物を入れることは意見が分かれ,病棟での実施は困難と思われた。 援助動物は7割が訓練された動物を希望し,また動物がかわいそうだとする意見も多く,その選択基準の検討と,動物,患者への配慮が必要と思われた。 ロボット動物の認知度や気分転換効果への期待度も4割で,治療の1つとなる可能性が考えられた。