3D ASLにて再灌流治療前後でのcrossed cerebellar diaschisisを指摘し得た急性期S鼸栓症の1例

摘要

Arterial spin labeling (ASL)法によるMR灌 流画像は，脳組織内へ流入する動脈血のスピンをラ ジォ波にて反転することでラベリングし，これを内因性 トレーサーとして用いて脳の灌流を評価する方法であ る)。一方，脳血管障害，脳腫瘍，脳挫傷などの 一側大脳半球内の病変が原因となって対側小脳へ の興奮性神経伝達が障害されることにより，対側小脳 の血流が低下する現象のことをcrossed cerebellar diaschisis (CCD)と呼ぶ。今回我々は，機械的 血栓除去術前後においてCCDの経時的変化を3D ASLにて追跡し，臨床経過と対比し得た症例を経験 したので報告する。