下肢虚血肢の動脈評価における下肢Subtraction CTA (CTDSA)の有用性の検討

摘要

近年，高齢者の増加とともに腸骨·下肢領域の動脈病変の頻度が増えており，画像診断がなされる機会が増えている。下肢動脈病変は，糖尿病症例や, 腎不全症例（特に透析症例）での重篤化が知られておりこれらの症例でのより精度の高い診断法が求められている。CTAはX線被曝·造影剤の使用という侵襲性はあるが，分解能にすぐれ，石灰化ゃプラークなど血管壁の状態も把握可能であるなど多くの長所を有している。最近ではMDCT (多検出器列CT)の発達に伴い広範囲の検査が短時間に行えるようになり，動脈評価の主体となる検査としての地位を確立しつつある。しかし，透析患者などの高度に動脈硬化性変化がみられる症例では，血管に高度石灰化があり，従来のCTAでは血管の状態を充分に評価できないことも多かつた。