生分解性長期徐放性注射剤

摘要

注射剤は薬物を直接体内に投与するため，投与量が正確で，確実な速やかな効果が期待できる．一方，一般に作用が急激で，自己投与が困難なため病院での投与になり，注射時の疼痛など患者の負担は大きい．特に内因性のホルモンやDNA，RNAなどの核酸薬は生体内での酵素による分解が速やかで，体内からの消失が早く，薬物として治療に用いるには点滴静注や頻回投与が必要な場合が多い．従って，1回の注射で長期間の薬物血中濃度の維持と持続的な効果が得られれば患者の負担は軽減し，患者のコンプライアンス（服薬の遵守）が向上し，より確実な治療効果が期待できる．