6年制と4年制の住み分けをどうするか

摘要

2009年10月26日付け朝日新聞の記事に「臨床現場で幅広く活躍できる薬剤師を育てるために導入された薬学部6年制.来年から病院や薬局で5ヶ月間の実務実習が始まるが，一方で，薬学部志望者は激減.定員割れの大学が続出するなど，薬学部を取り巻く環境は厳しさを増している.云々」と報道され，6年制薬学は漂流し始めた憾みがある.高い学費，相次ぐ学部開設·需要の頭打ちなどが種々原因であろうが，新しい薬剤師と薬学教育の理念（コンセブト）を明確に打ち出せていないことが薬学不振の最大の原因であろう.「新しい酒は，新しい皮袋に」という諺があるが今の状態は「新しい酒を古い皮袋に」の状況になってきており，そこには若者を惹きつける魅力は生まれてこない.以下に薬学部6年制と4年制のコンセプトから触れてみたい.