照明の照度が作業によるストレスに与える影響の検証

摘要

近年，オフィスでの労働におけるストレスや疲労に起因する作業効率の低下や疲労状態の慢性化が問題となっている．そのため，オフィス環境の改善に注目が集まっている．その中で，オフィスの照明環境に注目した研究では，照明の明るさ（照度）とストレスに関する研究は行われているが，心拍変動を用いたものは少ない．これらの研究では，ストレスや疲労を評価する指標として主観評価やフリッカーテストなどが用いられている．しかし，これらの方法は，作業を中断し，質問用紙の解答や計測機器を用いた計測を行う必要がある．したがって，これらの方法では時々刻々と変化するストレスを計測することができない．そこで，心電図から取得した心拍変動を用いたストレスの計測に注目が集まっている．心電図は近年普及が進hでいるウェアラブル端末を使うことで容易に取得できる．また，作業中にも測定可能であり，連続的なデータを取得できる．心拍変動は自律神経機能，疲労，眠気などの評価に有効である．