データ収集周期が多様なWSN環境におけるパルス結合振動子モデルに基づくスケジューリング方式の性能評価

摘要

データ収集型アプリケーションにおいて，必要な情報を効率的に収集するために広範囲に大量のセンサノードを配置することで，複数の無線センサネットワーク（WSN）が混在する状況が想定される．このような状況下においては，無線資源の利用効率の向上のためWSN間において協調的なスケジューリングが重要である．しかしながら，WSNの管理者が異なる場合においては管理ポリシーの違いからしばしば協調的な制御が難しい．そのため，我々は複数のWSNが混在する環境を対象とした自己組織型スケジューリング方式を提案してきた．しかし，タイムスロットサイズやデータ収集周期などのパラメータが異なるWSNが混在する環境における提案方式の評価がなされていなかった．そこで本報告では，そのようなパラメータが異なるWSNが混在する環境において提案方式の性能を評価する．シミュレーションによる評価を通して，無線の利用率が0.75の高負荷な状況においても提案方式は90%以上の高いデータ収集率を実現できることを示す．また，提案方式はセンサノード数の変化に対して適応的であることを示す．