ニ値効用下でのケーキ分割問題

摘要

ケーキ分割問題は公平分割問題の一つであり,[0,1]の連続区間で表現される分割財を公平に分割する方法を考える問題である.伝統的なケーキ分割問題では参加者は自身の選好を操作する誘因をもたないと仮定していた.しかしながら,参加者らが選好を表明する際,真の選好を表明せずに偽ることより好ましい割当てが得られる可能性があることが考えられる.そこで,近年,メカニズムデザインの観点からケーキ分割問題の研究が行われており,戦略的操作不可能なケーキ分割メカニズムが提案されている.メカニズムデザインはミクロ経済学とゲーム理論の一分野であり,複数の参加者間での意思決定ル一ルを設計することを目的とする.メカニズムデザインの研究は,近年,人工知能,マルチエージェントシステムの研究分野で盛hに行われている.