検索卜ピックに対する反証示唆がウ工ブ検索ユ一ザの情報精査態度に与える影響

摘要

信憑性への不注意や先入観のために,誤ったWeb情報を鵜呑みにしてしまうことがしばしばある.Web情報を検索·閲覧しているユーザが正確な情報を入手し,効果的な意思決定を行えるようになるためには,疑わしい情報を事前に検知するアルゴリズムやユーザの信憑性判断を支援するシステムが必要となる.本稿では,Web検索時における信憑性への注意喚起が,検索ユーザの検索行動や最終的な意思決定に与える影響について議論する.本研究では,信憑性への注意喚起手段として,反証が唱えられているトピック(反証トピック)に焦点を当てる.当該議論を行うために,クラウドソーシングを用いたオンラインユーザ実験を行った.実験には,92名の被験者が参加した.被験者には健康トピックに関する検索タスクを依頼した.検索?閲覧ログおよび事後アンケートの分析の結果,以下の2点について明らかになった.(1)検索結果リスト上で反証トピックを提示すると,注意深い情報検索が促され,ページ閲覧時間が長くなる.(2) Webページ閲覧中に反証トピックを提示すると,その情報は最終的な意思決定の参考にはされるが,検索行動自体はほとhど変化しない.本研究の結果は.批判的で注意深い情報検索を促すためのシステムデザインに寄与できると期待される.