無線通信ネットワークのリソース制御における状態情報に基づくモデリングと予測の可能性

摘要

特定無線局がエリア配下の無線局のリソースを制御することで高いパフォーマンスを達成する．このような集中制御型の無線通信ネットワークでは，リソース制御のためのシグナリングオーバーヘッドが大きくなることが課題となる．一方，無線LANなどのように，各端末が自律的にリソースを選択して運用した場合，パフォーマンスが低下する．その理由として，周辺の無線局の状況を十分把握できずにリソースを制御していることが考えられる．本稿では，周辺の無線局の状況について，これまでの通信路状態に限らず，他の無線機の移動度や利用者の特徴を示す状態情報に注目した．そして，状態情報を利用した無線通信利用モデルによって，各種制御に役立っ予測精度を高め，高いパフォーマンスを達成できることを示す．