無線電力伝送装置の送受信間近傍電磁界内部に置かれた周波数選択スパイラルスロットの平面波入射モデルを用いた設計

摘要

無線電力伝送では，送電周波数以外に生じる電磁雑音により，周囲の電子機器の動作障害や伝送効率の低下が問題となる．そこで，電磁雑音を遮断する金属シールドケース内に送信装置を収めた上で，無線電力伝送のアンテナ間中央に，単一の周波数選択スパイラルスロットを切ることで，無線電力伝送の電磁エネルギーのみを透過させる方式を提案する．ところが，周波数選択スパイラルスロットは，磁界結合している2つのヘリカルアンテナ間の近傍電磁界内に設置されているため，電磁界を乱し電力の伝送をさまたげる．さらに，周波数選択スパイラルスロットの動作についても，ヘリカルアンテナ間の結合電磁界内の動作は平面波入射解析時とは異なる．本研究では，2つの人リカルアンテナだけの解析モデルにより設計した無線電力伝送の動作周波数と同じ周波数で，周波数選択スパイラルスロットも平面波入射周期解析モデルで設計したとき，ヘリカルアンテナの中央に周波数選択スパイラルスロットを置いた構造で伝送特性を示すことを，12MHz帯の電磁界解析で確認した．さらに，電磁界分布を解析することで，そのメカニズムを考察した．