和歌山県西牟婁郡白浜町での耐災害ネットワークの実証計画について～安全安心な観光の町「白浜」を目指して

摘要

災害にも強い地域ネットワークの実現に向けて、メッシュ型アーキテクチャをベースとしたワイヤレスネットワークNerveNetの研究開発と実証を進めて来ている。NerveNetはユーザ端末やセンサ等のデバイスを無線収容する基地局を相互にメッシュ接続して構成するネットワークで、各基地局がパケット交換に加えて情報処理機能も有し、回線の一部が切断されたり外部ネットワークと切断されたりしても域内の通信とアプリケーションの提供を継続しやすいことに特徴がある。東北大学キャンパス内での大規模検証を踏まえて、この度、和歌山県西牟婁郡白浜町内において白浜町と共同で実証実験を開始する運びとなった。町内とその近郊に合計9基地局を設置してネットワークを構成し、観光スポットや役場など5カ所でユーザ用WiFiエリアを形成する。各基地局の情報処理機能を活かした安否通知や避難所情報等の重要なエリア情報の提供等の非常時に重点を置いた実証を行なう計画である。本稿ではその概要について述べる。