気候変動問題に社会運動を持ち込む愚

摘要

九月の国連気候行動サミットではスウェーデンの高校生（グレタ·トゥーンベリ）の演説が注目を集めた。演説をTVニュースで見た際、その狂信的内容に呆れたというのが筆者の偽らざる感想である。ところが、世の受け止め方は違ったようで、今年のノーベル平和賞の最有力候補と持ち上げる記事が配信され（実際には受賞せず）、メディアも「若者の真撃な訴えに耳を傾けるべき」と賛同を示す記事が圧倒的に多い。客観的なファクトを挙げず、キレ気味に大人への非難を繰り返すアジ演説のどこが評価に値するのか、正直首をひねるばかりだ。