「もhじゅ」安全確保、向上への挑戦

摘要

資源の乏しいわが国の安定したエネルギー供給確保を担う本命としての高速増殖炉（夢の原子炉）に大学時代から興味と憧れを抱き、一九七六年に動力炉·核燃料開発事業団（現日本原子力研究開発機構）に入社、高速増殖炉開発本部に配属された。当時「もhじゅ」は基本設計を固め設置許可申請の準備に入る頃であり、私は主に安全評価（設置許可申請書添付書類十）を担当した。設置許可に係る許認可対応業務に一九八〇年（申請）から八三年（許可取得）まで携わり、その後「もhじゅ」をモデルプラントとしたPRA（確率論的リスク評価）の適用研究に従事した。一九九五年二一月に「もhじゅ」二次系のナトリウム漏えい事故が発生すると、原因究明や再発防止対策等の事故対応、改造計画の策定に携わった。二〇〇五年の日本原子力研究開発機構発足後は、「もhじゅ」の運転再開、性能試験の実施を目指して炉心燃料の変更に係る設置変更許可申請と安全審査対応に携わり、許可取得に至った。以下では、「もhじゅ」の安全確保·向上への取り組み及び今後の高速炉開発について、思うところを述べる。