フリーダムトレイル（その4）米マサチューセッツ州

摘要

ボストン虐殺事件跡地からステート通りを東に進み、コングレス通りを左折すると約二七〇メートルでサミュエル·アダムズの銅像の前に出る。アダムズに守られるように建つ赤茶色のレンガ造りの建物、これがファニエルホールである。トレイルを四国八十八ヶ所になぞらえると、十一番札所にかたる。一七四一年、裕福な商人ピーター·ファニエルによって商業の中心紺にすべく、市場として建てられた。このホールはアメリカで初めて地域の施策や予算を議決するタウンミーティングを開催したことで「言論の自由の家」、「自由のゆりかご」などと呼ばれている。当時はタウン（町）が地方政治の中核で、タウンミーティングとは、町における最高議決機関のことである。毎年一回、男性住民の大半が集まって行政委員（議員）を選出し、町の予算や条例、その後一年間の公的な活動を議決するなど、立法機関の性格を持っていた。現代的に表現するなら直接民主制地方自治の一つの形態である。