資源や環境へ大きな貢献原子力の特性活かす水素生産

摘要

水素は電気と同じように、化石燃料、原子力、再生エネルギーなどの一次エネルギーを用いて生産される二次エネルギー（エネルギーキャリア）であり、将来にわたっての持続可能性と地球環境への適合性を満たすには、原子力と再生エネルギーの利用が不可欠と考えられる。 特に、原子力はそのエネルギー密度の大きさから二一世紀における世界のエネルギー供給に対して大きく貢献するものと期待される。 そこで、本稿ではエネルギー資源と地球環境の視点から、水素生産のエネルギー源として原子力が持つポテンシャルを定量的に評価することを目的に、水素生産時の炭酸ガス(CO{sub}2)発生量と、エネルギーの持続的かつ大量供給の可能性について検討した例を紹介する。 さらに、原子力エネルギーを用いた水素の導入シナリオと地球規模の環境に及ぼす効果について評価した最近の研究の概要を紹介する。