メンバの入れ替えが生じる環境下でのマルチキャスト通信の暗号化鍵管理方法の評価·検討

摘要

サベイランスシステム、次世自営無線システムという2つの業務系情報通信システムへの適用を想定して、暗号化マルチキャスト通信を実現するための暗号化鍵管理方法の適用性に関する評価、検討を行った。既存の代表的なマルチキャストグループ鍵管理方式として、二分木を用いた方法、秘密分散による方法、ペアリング暗号による方法を取り上げ、それぞれについてメッセージ長、必要メモリ容量、復号演算量等に関する基本的な性質の比較評価を行った。それぞれ特徴の異なる各方式を共通的な尺度によって比較評価する方法として、暗号化鍵の更新遅延時間による評価を導入し、各方式の定量的な比較検証を行った。3方式の中で最も鍵更新遅延時間特性の優れた二分木法について、メンバーの入替えに伴う二分木の再構築頻度に関する特性評価を行い、鍵更新遅延時間を短縮することにより次世代広帯域無線通信システムへの適用において課題となる無瞬断ハンドオーバを実現する方法の検討、評価を行った。