周波数·時間特性の忠実性を高めたUWB無線通信用電波伝搬モデル化に関する一検討

摘要

近距離において高速な通信を行うことのできるUWB無線伝送方式が，近年注目を集めている．UWB無線通信の電波伝搬モデルはIEEE802.15WPAN（Wireless Personal Area Network）Working Groupなどによって検討が行われている. 802／15.3aにおいて用いられていたモデルはS－Ⅴ（Saleh-Valenzuela）モデルをベースとする修正S－Ⅴモデルである?修正S－Ⅴモデルの問題点として周波数領域の特性を完全に表現できないことが挙げられる．UWBは周波数選択性フェージングの影響が大きく，システム設計する際に，時間領域および周波数領域双方において精確な電波伝搬モデルが必要となる. そこで，本稿ではAR（Auto-regressive）モデルを用いてS－Vモデルの周波数特性の忠実性を高める方式を提案する．提案方式では，ARモデルのクラスターの最適数に着目し，その周波数特性を改善する．また，計算機シミュレーションを用いて，周波数·暗闇領域特性の忠実性を高めたことを示す．