モデル予測制御に基づく衛星通信の周波数割り当てに関する検討

摘要

本稿では，モデル予測制御（Model Predictive Control：MPC）の考え方に基づいた周波数割り当ての方法を提案する．近年，トラヒック要求や回線状態の時間的·空間的変動に対応できる衛星通信システムが求められている．通信衛星のリソースを効率よく利用するため，システム全体としての最適な制御方策の検討を行っている．本稿では，周波数フレキシビリティに着目し，各ビームに効率よく周波数を割り当てる方法を考える．トラヒック要求の時間変動モデルが既知であり，変動が予測できると仮定する．そのモデルを用い，MPCとl_1最適化の考え方に基づいて，呼損と制御回数の意味で最適な割り当てを求める方法を定式化する．最後に，数値シミュレーションによって提案法の有用性を検証する．