液晶·誘電体多層構造によるミリ波帯偏向制御素子

摘要

現在，ミリ波の周波数領域は次世代インフラ技術として期待され，ミリ波レーダやミリ波イメージング等のミリ波センシングが実用化されてきている．これらのミリ波センシング装置では，ミリ波ビームの走査において多くは機械式機構となっているが，コストやスペースの問題を考えると電気的な走査機構が望ましい．これまでの研究で，液晶と誘電体を交互に積層した液晶·誘電体多層構造を提案し，有効媒質理論を用いてミリ波の偏向角度の見積りを行ってきた．本研究では，提案した液晶·誘電体多層構造において，液晶の占有率を2段階に変化させた構造のFDTD解析および測定セルの試作を行い，90GHz帯ミリ波における偏向効果を確認した．