人体の回折波推定とウェーブレット変換を併用した非接触心拍測定の検討

摘要

自動車運転中の健康状態に起因する事故を未然に防ぐために心臓の状態をモニタリングすることが求められている．指標の一つとして心拍があげられ，常時モニタリングすることで疾患の早期発見につながることが期待されている．そこで本研究では自動車内で用いることができる非接触での心拍測定システムの検討を行った．先行研究において解剖学的人体数値モデルを用いて行ったFDTD （Finite Difference Time Domain）シミュレーションでは，920 MHzの正弦波を励振、させた際人体を透過する電界強度は心臓の拡縮によって変化することがわかった．したがって体動時でも人体を透過する電界強度に変化が起きるかをシミュレーションで確認し，体動の影響を小さくするため受信センサを3つ用いて心臓を透過する波を推定した．また推定した透過波をSWT （Stationary Wavelet Transform）を用いて分解し特定の段を用いることで体動の大きな歪みをなくし心拍の推定精度を向上できた．