外断熱PCカーテンウオール工法の技術開発

摘要

本工法の特徴に示した通り，「外断熱PCカーテンウオール工法」における各種メリットは大変大きい事が判明した。住宅系始め24時間フル稼動の建物用途（病院,ホテル，老健施設等）には様々な快適空間の実現や省エネ·省資源効果を提供出来るものと思われる。又経済システムが一段とグローバル化する中，事務所ビルにおいてもフルタイムの冷暖房設備の稼動が必要条件となり，外断熱工法のメリットが改めて評価されよう。しかし現下のデフレ傾向が強まる経済社会情勢のもとでは，新しい技術の集積及び提案だけではマーケットに受容されるとは限らず，適切なコストの実現が大変重要な条件となる。本工法においては，従来の内断熱工法に対してイニシャルコストのアップ率を10％以下に抑え，本工法採用による省エネ効果（冷暖房負荷低減）の削減率（3～5％／年）を考慮すれば3～5年程度のランニングコスト削減効果により当初のイニシャルコストアップ分を充分吸収出来るものと予想される。従って吸収した彼のランニングコストの削減量はそのまま本工法のコストメリットとして建築物の維持·管理費用の縮減を可能にし，トータルな建設投資費用の削減に確実に寄与する事になると思われる。