4.3防犯設備

摘要

警察庁の統計によると，侵入窃盗犯罪の認知件数は近年では2002年の約33.8万件をピークに，2003年から毎年減少し2018年には約6.3万件となった。これには，防犯に関する国民の意識の高まりや国や地方自治体での取組み強化に加えて，防犯設備機器の性能向上や技術革新，市場普及が少なからず寄与していると考えられる。ビルや施設に設置される代表的な防犯設備として，入退室管理システムがある。2000年以降からテナントビルや企業の事業所を中心に，急速に普及した入退室管理システムであるが，2020年の東京オリンピック·パラリンピック開催に当た云ては外国人訪問者数の増加が見込まれ，多くの人が集まる空港や施設ではセキュリティの強化と効率的な施設運用の観点から入退室管理システムの展開が期待されている。本稿では，そのような社会背景をもつ入退室管理システムの技術の動向について述べることとする。