超臨界圧·乱流境界層における密度変動効果のRANSモデリングの提案

摘要

液体ロケットエンジンの再生冷却流路内は，高圧のため臨界圧力点p_c（パラ水素の場合はp_c≌1.28［MPa］）を超えた超臨界圧となっており，作動流体のパラ水素は超臨界流体となっている．また，流路は高レイノルズ数のため発達した乱流境界層となっている．超臨界流体の乱流現象を理解し信頼できる超臨界圧乱流境界層のシミュレーションを確立していくことは，ロケットエンジンを開発するための重要課題の一つである．また，この超臨界圧乱流境界層は液体ロケットエンジンの他にも超臨界圧軽水冷却炉などへの応用が期待されており，こういった分野においても超臨界圧乱流境界層解析は重要な研究テーマとなっている．