太陽フレアにおける衝撃波の構造と時間変動性

摘要

太陽フレアは時折新聞でも取り上げられるのでご存知の方も多いかもしれない．太陽は6千度の対流している光球の上空に1万度の彩層，そしてさらにその上に100万度のコロナを持っている．太陽フレアはこのコロナで起きる「超高温（数千万度）プラズマ生成を伴う爆発現象」であり，空間スケール1-10万kmにおいて10~(29-32)ergものエネルギーをわずか10~3-10~4sで解放する現象である．その激しさゆえ太陽フレアで生じた爆風が地球に到達すると我々の生活にも影響を及ぼし新聞沙汰になることがある．まず太陽フレアが起きる現場であるコロナについて見ていきたい．コロナはその高い温度のため完全電離プラズマとなっており，1万km程度の空間スケールではイオンー電子が概ね十分カップルしている1流体として振る舞う流体近似がよく成り立っている．