局地気象学分野における数値シミュレーション：地形と土地利用の影響調査

摘要

大気中には，時空間スケールの異なる様々な現象がある．大気中の波という視点で見た場合，大気大循環や季節風などのマクロスケール，温帯低気圧などのシノブティックスケール，山岳波や海陸風などのメソスケール，竜巻や大気境界層乱流などのマイクロスケールの現象に大別される．気象学は，このような現象の時空間スケールに応じて，グローバル気象学，総観気象学，メソスケール気象学，大気境界層気象学など，さらに分類されることがある．局地気象学という言葉は，文字通り局地的な大気現象を扱う分野であるが，局地規模という言葉には明確な定義はない．ただ，専門書における局地気象学という言葉の使われ方，局地循環（海陸風循環，山谷風循環などの総称）という専門用語の意味から，局地気象学は，メソスケール気象学分野の中で比較的小規模な現象を扱う分野と見なして良いだろう．