環境問題と生産技術

摘要

環境の世紀，自動車技術が大きく変化するとき，私たちの目前には多くの新しい課題が山積している。 しかしこれらに対応して広ぐ情報を集め，考え，行動することで技術を本質的に飛躍させる絶好のチャンスでもある。 本稿ではまず，拡大する環境破壊やエネルギー問題に対する注目すべき幾つかの報告について触れる。そして筆者がアルミニウム鋳造の生産技術開発を進めるときの基本方針としてきている品質工学のパラメータ設計の考え方と方法について私見を展開してみたい。 品質工学はシステムや生産技術をいわばエネルギー変換器と捉え，これに最小のエネルギーをインプットして最大の機能をアウトプットさせるべきだとして，そのための具体的な考え方を用意している。 この点で私たちが環境破壊やエネルギー問題と技術との調和を目指すとき，品質工学は極めて合理的な考え方であり，筆者が注目してきている所以である。