FAME混合が軽油の低温流動性とディーゼル車の低温性能に及ぼす影響検討

摘要

日本において要求される軽油品質の中で特に重要視されるべき項目の一つとして，低温流動性が挙げられる。一方，近年のディーゼル単は排出ガス規制強化に伴い燃料供給システムが変化しつつあり，それに伴い低温下での運転性が悪化してきていることが報告されている。さらに，各種原料油脂の中でもパーム油は飽和脂肪酸の構成比が比較的高いという化学組成·構造上の特徴に起因して低温時に固化しやすい性質を有しており，メチルエステル化した場合においても低温流動性が劣ることが課題として挙げられている。このような背景を基に，FAME混合による軽油の低温流動性，およびディーゼル単の始動性，走行性等の車両実用性能への影響について評価，検討を行った結果を報告する。なお，本研究は（財）石油産業活性化センターが経済産業省からの補助金を受け，㈱石油産業技術研究所の協力を得て実施したものである。