KMシステムへのWebマイニング技術の応用：利用者の操作意図を反映したWeb Usage マイニング実験

摘要

本論文は，Knowledge Management (KM) の領域へWeb Usage マイニングの技術を応用した実験結果を報告するものである. 我々はこの中で, マイニングデータのセグメンテーションに際し，利用者の操作の意図を反映した手法を提案している．現在KM(Knowledge Management) という組織マネジメント手法が注目されている[野中90，Nonaka 95，Davenport 98，國藤01]．これは組織内に点在する専門性の高い知識を必要に応じて即座に活用し，かつその結果を知識の所有者間で共有することにより，さらに新しい知識を創造していく拡大再生産型プロセスを指している．本来，KM は必ずしも情報技術を前提とした経営コンセプトではなく，組織内の高度な知識を用いて生産性の飛躍的向上を達成するための現実解を求めるものである[野村99]．従って当初は，組織論や経営管理論などの領域からのアプローチがそのほとhどであった[Nonaka95]．のちにDavenport [Davenport 98] が知識活用状況の分析の視点に「技術」を加え，これをきっかけにして，欧米を中心に情報技術を活用したKM システムが進展してきた[人工知能特集01a]．とくにKM を実現するための基盤システムとして，Web を利用した組織内情報共有システム(イントラネット) を応用したものが，多くの企業における情報インフラストラクチャとして確立しつつある．そこで今回我々は，実運用中のKM システムを改良して，さらに効果的な知識共有を実現することを目指した．