多彩な天然ガス利用の将来

摘要

天然ガスは、埋蔵量が豊富で埋蔵量の分布が石油に比較してより普遍的であること、燃焼特性がクリーンであること、といった特徴を有している。このため、エネルギーセキュリティの確保、あるいは環境問題への対応という観点から、その利用拡大が大きく期待されている。 天然ガスは発電用燃料としての利用の他に石油化学用原料あるいはボイラー用燃料等の産業用、民生用、業務用の広い分野に用いられている。また、CNG（圧縮天然ガス）として自動車用燃料の分野にも利用が拡大しつつある。 非OECD諸国では、特に民生、業務用利用に占める割合は未だ低い状況にあるが、今後の経済発展に伴い利用が拡大するものと見られる。 IEAの予測では世界の天然ガスの消費量は2030 年にかけて年率2.4％の伸びを見込まれており、特に中国をはじめアジア地域の消費量が大きく増加するものと予測されている。 この中で注目されるのは、天然ガスの液体燃料としての利用用途であるGTL（Gas to Liquid）の利用拡大である。 本稿では以下天然ガス利用の一形態であるGTLの製造と将来展望について述べる。