非真空プロセスによるCu_2ZnSnS_4薄膜太陽電池の作製－窓層堆積条件の検討による効率の改善

摘要

ZnO:Al窓層の堆積条件を検討することにより，非真空下で作製するCZTS薄膜太陽電池の効率改善を図った．太陽電池の構造はAl/ZnO:Al/CdS/CZTS/Mo/Soda Lime Glassであり，ZnO：Al窓層，CdS界面層，CZTS光吸収層はそれぞれ，ゾルゲル法，化学溶液堆積法，ゾルゲル·硫化法で，つまり，太陽電池に必要な半導体三層をいずれも非真空下で堆積させた．これまでCZTS薄膜を構成する粒子の径を大きくすることで効率を改善してきた．しかし，粒径が大きくなることで表面の凹凸が激しくなり，ZnO：Al窓層で完全にCdS界面層を覆いきれず，効率の低下を引き起こしていた．本研究では，ZnO：Al堆積条件，具体的にはコート回数，乾燥温度，乾燥時間を検討することで効率の改善を図った．乾燥時間3分，乾燥温度350°C，コート数15回で最大発電効率がこれまでの2.23％から3.61％へと改善された．