コスト予測における対数変換すべき変数の判別手法の評価

摘要

ソフトウェア開発では，スケジュールの管理に工数の予測が行われている．しかし，ソフトウェアの大規模化·複雑化に伴い「品質」，「コスト」，「納期」の面で開発当初の予定通りにプロジェクトを進めるのは難しいことがある．より精度の高い予測をする方法として，予測に用いる変数を対数変換することで予測精度は向上されるが，どの変数にも有効というわけではない．また，総当たりで対数変換すべき変数を判別しているとツールに組み込む際に，一つの手法だけで時間が掛かりすぎ予測が終わらない。そこで，計算量の少なく精度向上が期待される手法を提案する．また，予測精度の向上される変数のみを少ない計算量で対数変換することにより，予測精度が向上されることを評価実験により確認した．さらに，他の手法で対数変換すべき変数を判別し対数変換した場合との比較も行った．提案手法では，全プロジェクトを区間ごとに分割し，分割した区間ごとで傾きを求め，連続して傾きが増加しているかでその変数を対数変換するかの判別を行った．提案手法と比較手法を比較した結果，提案手法で予測精度を求めた方が比較手法で工数を予測したよりも精度が高くなった。